待機電力より大切な「長時間使う家電」の見直し方

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「節電」と聞いてまず思い浮かぶのは、コンセントを抜いて待機電力を減らすことかもしれません。確かに、使っていない家電のプラグを抜く習慣は無駄がなく、悪いことではありません。ただ、現実の電気代を大きく動かしているのは、待機電力よりも「長い時間使い続けている家電」のほうだ、という事実はあまり知られていません。

この記事では、家庭の電気代の内訳をいったん整理したうえで、優先して見直すべき家電と、その具体的な工夫を紹介します。「コンセントを抜いて回る前に、どこを見直せばよいのか」がわかると、節電の手応えがぐっと変わります。

待機電力は家庭の電力消費の何%?

資源エネルギー庁の調査によれば、家庭の年間消費電力量のうち、待機時消費電力(いわゆる待機電力)が占める割合はおよそ 5%前後 とされています。テレビ、レコーダー、ガス温水器のリモコン、給湯器、オーディオ、PC関連機器などが主な発生源です。

5%は決して小さくはありませんが、見方を変えれば「残り95%は実際に使われている時間の電力」です。たとえば年間電気代が12万円の家庭なら、待機電力分は約6,000円。一方で、エアコンや冷蔵庫など稼働時間が長い家電が占める部分は11万円を超えます。どちらに手を入れたほうが効果が大きいかは明らかです。

家庭の電力を多く使う「長時間使う家電」トップ4

資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド」などのデータをもとにすると、家庭の電力消費が大きい家電は次のようになります(夏季・冬季で順位は変動します)。

  1. エアコン(冷暖房)
  2. 冷蔵庫
  3. 照明器具
  4. 給湯(電気温水器・エコキュートなど)

この4つだけで家庭の電力使用量の半分以上を占めるケースも珍しくありません。共通しているのは、いずれも「1日の中で稼働時間が非常に長い」という点です。冷蔵庫は24時間365日、エアコンや照明も季節によっては1日10時間以上動きます。

待機電力をゼロに近づけるためにあちこちのコンセントを抜くより、この4つの使い方を1割改善するほうが、電気代に与える影響は何倍も大きくなります。

見直しの優先順位はこう考える

優先順位を決めるときは、「① 稼働時間が長い」「② 消費電力が大きい」「③ 自分の生活で使い方を変えやすい」の3点で見るとシンプルです。

たとえば冷蔵庫は稼働時間も消費電力も大きいですが、使い方を一気に変えにくい家電です。一方、エアコンは設定温度・運転モード・風量で消費電力が大きく変わるため、改善余地が大きい家電と言えます。照明も、よく使う部屋からLEDに切り替えるだけで効果が出ます。

「効果が大きく、変えやすい」順に並べると、おおむね次のイメージです。

  • まず手をつける:エアコン、照明
  • 次に取り組む:冷蔵庫の使い方、給湯の温度設定
  • 最後でよい:細かな待機電力対策、ほぼ使わない家電

待機電力対策で意味があるのは「ほぼ使っていない家電」

待機電力対策が無意味というわけではありません。「ほぼ使っていないのに、コンセントだけは挿しっぱなし」の家電は、見つけ次第プラグを抜く価値があります。

具体的には、来客時しか使わないシーズン家電、長期間使っていないオーディオ機器、子ども部屋の使っていないゲーム機などです。逆に、毎日使うテレビや録画機器、Wi-Fiルーターなどはコンセントを抜くと利便性を大きく損ないます。便利さを犠牲にしてまで取り組むのは、節電としてはコスパがよくありません。

スイッチ付き電源タップを使えば、複数機器をまとめてオフにでき、抜き差しの手間を減らせます。「節電のために生活を不便にする」よりは、「不便にならない範囲で減らす」と考えたほうが長続きします。

家計に効く節電は「長く使うものを少しだけ変える」

節電のコツをひと言にまとめるなら、「短時間しか使わないものを完全にゼロにする」より、「長時間使うものを少しだけ効率化する」ほうが、家計への効果が大きい、ということです。

具体的には、

  • エアコンの設定温度を1〜2度ゆるめる
  • 使用頻度の高い部屋の照明をLEDに替える
  • 冷蔵庫を壁から少し離して放熱しやすくする
  • 給湯温度を必要以上に高く設定しない

このあたりから手をつけるだけでも、年間で数千円〜1万円単位の差が出る家庭は珍しくありません。

まとめ

待機電力をこまめにカットするのは、家計よりも「気持ちの満足感」に効きやすい節電です。実際に電気代を大きく動かしたいなら、エアコン・冷蔵庫・照明・給湯という、長時間動いている家電に意識を向けてみてください。

毎日触る家電を少しだけ効率よく使う。これが、無理なく続く節電の本筋です。


参考・出典

  • 資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド」
  • 経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」

注記

  • 本記事の電気代の試算は、家庭用電気料金の目安単価(全国家庭電気製品公正取引協議会の参考値:31円/kWh)に基づきます。実際の電気代は契約プラン、地域、季節によって異なります。